また、このように、「技術」と「精神」をともに受け継いでいくためには、先達とともに後続が実際の現場に関わって、自ら手を動かしつつ体得していく方法が最も一般的です。そのため、志匠会では、各外科医が様々な手術に積極的に関わっています。たとえば、長時間を要する手術では、4~5人の医師が関わることもあります。そして、その際に後続の各医師たちは、先達の手技(手術の技術)を実際に目にするだけでなく、手術の技術を身につけるため、先達の医師の下、手を預かり、実際の手技を行っています。もちろん、手技の難易度と後続の各医師の力量を先達たる医師がしっかり見定めた上で手を預けており、かつ手術の結果には先達たる医師が全責任を負いますので、先達たる医師が自ら行うのと手術の安全性等については、有意差は無いものと考えています。