このように後続の医師が先達の手術において実際に手を預かり技術を向上させることは、患者様の将来にとって有意義です。何故なら、脊椎疾患が主として加齢などに伴い進行するものであり、いったん手術により症状が改善しても、時の経過により、除圧した箇所が不安定になったり、固定した箇所の上下の隣接部がダメージを蓄積したりして、再び手術が必要となる可能性があるからです。このような状況が最初の手術後長い年月が経過した後に生じた場合、先達の医師が体力的・肉体的(視力等)の問題で、その時点では手術を行うことができるのか、わかりません。しかし、現在後続の立場にある医師たちは、長い年月の経過後の再手術が必要な「その時」に最も脂がのった良い状態となっています。そして、技術と精神の伝承を受け、かつ最も脂がのった良い状態にあるかつての後続の医師が、その技量を活かして、再度手術が必要となった患者様の手術を行う。(その際に、さらなる後続の医師たちが、手術にかかわり、手を担って、手術(技)の経験を積んでいく。そして、さらにその後手術の必要性が生じたときは、その手を担った後続の医師が手術に関わっていく…)これにより、患者様は常に豊富な手術経験と技量をもった医師の関与の下、手術を受けることができます。